3月9日(金)19時より、家具好きや家具設計者の間で人気の書籍「この椅子が一番!」のトークイベントを開催しました。
この本で 子供に座らせたい椅子部門で1位になったアップライトチェア の開発・販売秘話を商品開発プロデューサー柴原氏と製造メーカーの近藤専務にお話いただきました。
司会は本の著者であり、木のエキスパート 西川栄明氏。
家具業界の方を中心に20名の方にご参加いただきました。
どのようにしてこの椅子が生まれたのか、製作時の苦労話や椅子の構造の話など赤裸々に誠実に お話いただきました。
私がとても印象に残ったのは、子供たちの姿勢を守りたいという実直なぶれない念い とモノづくりから販売に至るまで 一貫した ていねいな取り組みの姿勢でした。
ていねいさの一例として、さまざまなエビデンス(根拠・証拠など)を検証し、製作されてることがあげられます。
座面高さの間隔や身長に対して座面の奥行を導きだしたり、「座面が身体(お尻・太もも)の75%以上を支えてないと人は疲れる」という説に対してお子様100人にアップライトチェアを使ってもらい1週間後 座り心地を確認し、75%以下の座面でも疲れた子供がいなかったことを実証するなど、常に検証・確認をしてから前に進まれています。
時間をかけて検証に検証を重ねたからこそ、日本人(おそらく東洋人も)の体型にあったチェアが生まれ、口コミで人気が広まり、長く愛されているのだと思われます。
また世界最長になる18年もチェアを保証することも 背骨が成長する18歳まで椅子を通じて子供たちに関わりたいという念いもすばらしいですし、そのやり方が、修理の場合は 代替え品を用意するなど お客様目線に立ちていねいに対応する姿勢がすばらしいと思いました。
また1脚1脚思いを込めて不良の出ないよう作りたいという考えから生産本数を月間500本と上限を設定し、工場に無理の出ないよう管理されていることを知りました。
ご参加されたインテリア業界の方々からも とても好評でした。
「正しいプロダクトが正しい目的をもって産み出され、本来顧客である子供たちに正しく手渡されるプロセスのお話を聴かせていただきました…
No.1 になるには、きちんと理由があることを改めて実感しました…
ヒットに至る正解はひとつではないことはわかりますが、正解のひとつであることは間違いないと思います…
わかっていても、なかなか出来ない…
でもそれをやるからなれるというのも事実…
足りてないわ〜を実感しました…
今回、参加されなかったかたは、とても機会損失だったと思います…
もしかしたら、ほかの機会で、このトークイベントされるかもしれませんが、絶対行ったほうがいいやつです」
家具デザイナー 賀來
今回のイベントを企画された 西川様、講演いただいた柴原様、近藤様、またご来店いただいた 皆さま ありがとうございました。
懇親会もドタ参が増え、16人用個室に20名と ギュウギュウでしたが、とても楽しいひとときでした。今後ともよろしくお願いいたします。